さよなら、インタフェース - 脱「画面」の思考法
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概要
1 章 : はじめに
2 章 : 「まず画面」 の思考法
車のカギの解除の例
My BMW Remote アプリで車の鍵を解除できる
車の鍵を開けるだけなのに、スマートフォンで 11 ステップも操作する必要がある
使い悪すぎる
本のテーマ : The Best Interface is No Interface
実情と問題
3 章 : インターフェイスをくっつけろ!
自動車にも冷蔵庫にもゴミ箱にもなんでもかんでもスクリーンがくっつけられている
4 章 : UX ≠ UI
UX と UI は異なるものだが、各企業の募集要項ではそれらが混同されがち それこそが UX 向上ではなく多くの UI が作られる理由のひとつではないか
5 章 : 中毒という UI
無料でサービスを提供する戦略としては、広告モデルが圧倒的
広告だよりなので、ユーザーが中毒になるようなインターフェイスづくりをする
ユーザーが目標を楽しく (あるいは効率的に) 達成できる UX ではなく、ユーザーの目標達成を遅らせる力が働く
Facebook のプロダクトデザイナーは、それは事実ではないと反論はしているが…… デザイナーがやるべきことは、ユーザーを中毒にすることではなく、ユーザーが必要とするものを、短時間で素敵な方法で手に入れられるようにすること
6 章 : 注意散漫
マルチメディアタスキング (複数メディアやコンテンツの同時利用) が習慣化している人について
マルチメディアタスキングの習慣が強いグループの認知テストの結果は最低だった
7 章 : バックライトの光で不眠に?!
イスラエルの研究チームによる、乳がんや前立腺がんと夜の野外の光量の関係を調べた研究 光量が多い地域ほど乳ガンや前立腺ガンになる可能性が高かった
昼間のような人工光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制される → 覚醒状態のままになる デジタル機器のスクリーンを見ていると、睡眠のリズムが乱れる
8 章 : スクリーンレス・オフィス
20 年以上前にペーパーレスが予想されてから、ようやく最近になって実際に紙の使用量が減ってきた インターフェイスの問題は、それが境界面であるということ
我々と我々の目標との間に割って入ってくる
今のオフィスにはスクリーンがあふれているが、今度はスクリーンレスを考えていく必要がある
NoUI を実現するためのルール その 1
画面なんかに頼らず、解決したい問題につきものの 「いつもの手順」 を上手に活用する
9 章 : スマホはケツポケットにしまっとけ
人間が生存するための基本的な能力であるパターン認識が変調をきたして、意味のない刺激に特定の意味を認識してしまう スマートフォン利用者の半数以上がケースを使用しているというのは、スマートフォンの UX 設計の失敗である
GUI を使わずに良い UX を実現しているアプリもある 情報収集はポケットに入れたままできるが、情報を見るところはインターフェイスで実施
最初のリリース時には GUI を使って開錠する仕組みだったが、1 年後のリリースでスマホ操作なしで開錠できるように 万引きが増えている
機械でうまく値段を入力できなかったから諦めてそのまま店を出てしまった、というアンケート結果
Square Wallet の Auto Tab : 技術を活用して無人化などするのではなく、人間的な触れ合いが増えることを目指す 10 章 : 怠け者の長方形
新しいひらめきや発見をしても、そこから画面の設計を考えてしまうことで台無しになっている
自動車の社内を涼しくする機能
インターフェイスを使わない解決策
1991 年の MAZDA 929 のオプション機能、ソーラーサンルーフ : 社内の温度をモニターし、自動でファンを回す (電力は太陽光パネル) 2009 年型のプリウスにも似たような機能
「まず画面」 の思考をやめて、解決したい問題を取り巻く状況を理解し、「いつもの手順」 を上手に利用して、直観的でスタイリッシュな解決策を導くこと
NoUI を実現するためのルール その 2
科学技術を活用し、ぼくらをこき使うシステムじゃなく、ぼくらに使いこなされるシステムを創り出そう
11 章 : コンピュータはまるで駄々っ子
パスワードの細かな規則に縛られてエラーメッセージに対処する、とかそういう作業でコンピュータに人間がこき使われている
そういう馬鹿げたことに時間を使っていて、本当にやるべきことをやる時間が削られている
12 章 : 「ユーザーインプット」 じゃなくて 「マシーンインプット」 を
完璧な技術やシステムは消え失せて、日々の暮らしの中に織り込まれて一体化してしまう、という予想
ユーザーによる入力ではなく、機械による入力 (センシングなどによる信号) を利用する
13 章 : アナログ仕事とデジタル仕事
「選択に迷う」 のは人間の基本の心理で、デザイン思考において重要な要素 ソフトウェアやデジタル機器が人間に求める雑用 (= デジタル雑用) がどんどん増えている
NoUI を実現するためのルール その 3
ひとりひとりに合わせる
14 章 : ひとりひとりに焦点を当てた情報処理
トップの研究者が、RTB 広告みたいに、複雑だけど収益が上がるような分野の問題に取り組んでいる 15 章 : 事前対処型コンピューティング
今後の課題
16 章 : 変化
17 章 : プライバシーの問題
18 章 : 自動化
自動ドアは今ではすっかりあたりまえの自動化ソリューションだが、間違いなくすごいこと 19 章 : 不具合
まれな状況に対応するための予備の選択肢としてスクリーンは役に立つ
20 章 : 例外
ノー・インターフェイス、と言っていても、例外はある
画面を介して楽しむ消費活動とか
デジタルの世界で大きな意思決定をする場合とか
ノー・インターフェイスのコンセプトが価値を発揮するのは、行動を喚起するときや、デザイナーや開発者の指針となるとき
むすび
21 章 : こんな日が来るといい
スクリーンレスとか、そういうコンセプトが古臭く感じられる時代になると良い